原生的労働関係から近代主婦の誕生 (主にイギリスの例)
産業化からのアプローチ
家庭責任者としての女子労働者が労働力として矛盾を抱えるのは家事労働と生産労働が空間的かつ質的に分離することで発生 18 世紀末ごろから蒸気機関の登場が就業形態に変化をもたらした (労働組織、立地条件、労働条件の 3 点) 工場が都会へ → 職を求めて都市に流入した人々は一家全員が賃金労働者となり劣悪な労働条件で就労
空間的な職と住の分離、作業規律の厳格化
このころから、既婚女性が家事の片手間に就労することが困難に
親とは別に雇用された児童への親の保護が失われ始めた → 児童への工場内での虐待が社会問題に 年少者、児童を労働市場から放逐 → 大人と子どもの分離
1880 年には義務教育が法制化 → 「子ども」 (いわば専業子ども) が誕生 家父長制の持っていた性と世代に関する同型性が崩れた
子は、家父長の指揮のもとに労働に従事する存在から、国による学校教育を受ける存在に
子どもの教育権が父親から分化して国家へ
子どもの労働市場からの撤退の女性への影響 → 既婚女性の労働が、家庭責任と矛盾するものとして現れるように
代替労働力としての女性の労働に対する需要の増加
子どもの世話に対する責任の増大
資本の側としては、次の間の矛盾
個別資本としては安価な労働力の徹底的な利用の要請
資本総体にとっての安定的な次世代の労働力の再生産の要請
1944 年の工場法以降、既婚女性を労働市場から撤退させ、近代主婦を誕生させることを選択 家父長制からのアプローチ
近代主婦の誕生
上記の産業化からのアプローチと家父長制からのアプローチの相互作用の結果、イギリスの近代主婦が誕生 関連
参考文献